津軽三味線の一部の競技会では、エントリーの際に音源審査があります。多くの場合、課題曲はじょんがら節の曲弾きや、六段です。調絃の指定がC#などと指定がある場合もあります。提出する際には、レコーダー等で録音した演奏音源をオーディオCDに焼いて、プレイヤーで再生してから出場申込書とともに競技会の宛先へ郵送し、別途で審査料を振込みます。
私が初めて挑戦し、合格した音源審査は、今から6年ほど前に浅草公会堂で開催された津軽三味線コンクール全国大会でした。翌年の音源審査で不合格となった苦い経験もあります。ありがたいことにここ3年間は、いくつかの音源審査のある大会で出場機会を頂いています。今回の記事では、音源審査準備をどのように進めているかを書きます。
初期の2年間は、音源提出期間に1日間だけまとまった時間を取って録音し、その日録れた音源の中で一番まともな演奏の音源を選んでいました。どうしても後半になると疲れてくるので、前半の方に録音した音源の方がまともだった記憶があります。
3年ほど前から、音源審査の準備方法を変更しました。1日1回、30分でも1時間でも、課題曲を録音する時間を決めて、その間でひたすら録音します。録音した音源は後で聞き返して、その日録音したなかで一番まともな音源を1つ残します。この作業をおよそ1ヶ月間、なるべく毎日行います。音源提出の締切が近づいてきたら、残した音源を比較して、ベストなものを提出用音源としてCDに焼きます。たくさん音源が残っていると、(おおよそ似たような演奏の音源ばかりが残っていることもあり)聴いて選別する作業が大変になってくるので、1週間に1回程度、録音した音源を絞り込んでおくと、直前の選別作業が楽になります。
年によって応募者が変動するため、”この方法で準備すれば絶対通る!”という保証はできません。ただ、同じ曲をひたすら弾いて録音しながら練習して、それを聴きながら完成度を高める作業は、自分の演奏と向き合う貴重な機会になります。普段の練習で自分の演奏を録音して聴き返す習慣がない場合には尚更効くと思います。
7/28(日)に、名古屋で全日本津軽三味線競技会名古屋大会が開催されました。テープ審査の準備と異なり、一発勝負の本番の舞台での演奏は、いまだに毎回緊張しますが、今回は目線と間に課題を絞って演奏してきました。普段の練習を地道に重ねることが今は大事だと思っています。